日本で30年ぶりに開催される国際アートフェアのTokyo Gendai 第2回展に出品する作品にとりかかっています。この作品はその内の一点です。日本では小品と言えば30号以下を指しますが、欧米では100号も大作とは思われない場合が多いです。この大きさはその中に展示する上で、十分な大きさだと思います。
この作品は深い森の中で滝を通して見た陽の光により、世界の多様性を目撃しているという作品です。具象と抽象のハイブリッドな感覚が面白くて、制作を進めました。自然の側に身を置き、今ここに流れる滝を静けさを目指して描き上げました。
純金泥に胡粉だけで滝の内側から光を見ているという作品です。金と胡粉だけというと、最晩年の奥村土牛先生の富士の作品を思い出します。また先日ニューヨークの美術館で見た竹内栖鳳のライオンの絵も金と墨だけでした。すばらしいいくつかの日本画作品が私を牽引してくれる思いです。
シカゴ・アート・エキスポにニューヨークのタゴール画廊から出品しています。高水準の作品に囲まれ、大切なことは類例のない作品であること、そして美術史観をきちんと持っていることだと改めて感じます。
とてもお世話になった方がお亡くなりになり、その追悼の会でお話させていただいています。故人となられた村瀬裕子さんは、ニューヨークで私が評価される多くのきっかけを作ってくださった方です。心より御冥福をお祈り申し上げます。