軽井沢千住博美術館で3月1日から公開される崖の新作には、星空を描こうと思い、夜空を観察しています。この日はマイナス10度の寒い日でした。星がよく見えました。
新年を迎えるにあたり、アトリエの大掃除をしながら制作を続けています。アトリエは常に清潔に保っているつもりですが、それでも汚れてしまっていました。
正月の飾り物をアトリエ玄関につけています。日本を離れていても日本を感じる一瞬です。
2015年、空海が1200年前に悟りを開いたとされる洞窟周辺を取材し、絵にしようとしましたが、うまくいきませんでした。10年経って同じ崖にチャレンジしています。
2015年訪ねた室戸岬のこの御厨人窟は何の変哲もない洞穴に見えました。これでは絵にならないと、当時は思いました。しかし今、空海はこんなところでさえ悟りを開けたんだ、と思うとその偉大さに圧倒されます。それでなんとしてもこの洞窟を描きたいと思いました。
多くの方がお遍路で歩くことと同じように、画家である私にとってこの洞窟と岩山、木々を描くことが空海を追体験することでもありますし、修行のような厳しい制作でもあります。なにものにもとらわれず、1200年前の御厨人窟を想像しながら岩を一つずつ描いています。